23戸中2戸しか入居していない物件が満室に!

リノベーションの例として、もうひとつ私が10年ほど前に手がけた物件を紹介しましょう。それは、学生街の中にある鉄筋コンクリート(RC)の1棟ものの物件でした。

築16年の物件は、管理状態がかなり悪くて、見学に行ったときにはあまりのひどさにかなりテンションが下がりました。23戸中2戸しか入居していない状態でしたから、まさに「廃墟」と呼ぶにふさわしい物件でした。

しかし、冷静に見ると、軀体はしっかりとしていて配管も問題なさそう。本来、鉄筋コンクリートの物件は、軀体や土台がしっかりしていれば、50~60年は平気でもちます。リノベーションをすれば、あと20年以上は問題なく賃貸物件として収益を生み出してくれるはずという予感はありました。

問題は、ずっとほったらかしにしていたので建物がひどく汚れていて、塗装も剝げ落ち、防水も切れてしまっている状態にあることにありました。しかし、「これなら、再生は可能だ」と判断し、できるだけ安く購入できるように、売主さん側の業者さんに交渉してもらいました。

それと同時に、リノベーションをする際の見積もりをすると、予算内の価格で仕上がることがわかったので、早急に契約を済ませました。地元の業者にリノベーションを頼むと、「廃墟」だと思っていた物件が見違えるほどの「美人」物件になりました。塗装が剝げ落ちていた外壁は、木目調のデザインになるようにペンキをキレイに塗り替えただけで、入居希望者から「この物件は新築ですか?」と尋ねられるほど、新しく生まれ変わりました。

また、壁紙や床を張り替えると同時に、キッチンや水回りも一新。照明もムーディーな雰囲気を演出できる間接照明に替えました。すると、なんとリノベーション完了の2カ月後には、満室になりました。稼働率がほぼ100%の優良物件に生まれ変わったのです。

入居者に気に入ってもらえるのもうれしかったのですが、近所の方にも大変喜んでいただけました。以前は、廃墟のような不気味なオーラを放っていたので存在するだけで街の景観が悪くなっていたのですが、キレイに生まれ変わってからは、付近の雰囲気も明るくなったので、喜んでいただけたのも納得です。リノベーションの魅力のひとつは、建物を再生することでまわりの景色がよくなること。不動産の価値を高めることが街の価値を高めることにつながるのです。

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